『華族 近代日本貴族の虚像と実像』

小田部雄次
中公新書
ISBN4-12-101836-2
華族についての概説的な通史本。
内容的、記述的には、やや堅苦しい概説書であり、概説的な通史としては、こんなものといえばこんなもの、といった感じの本ではあるのだろうが、読み物として面白いようなところは、殆どなかった。
私の感想としては、300ページを越えるのに、趣味で読むにはやや厳しい、というところか。勉強用としてはしょうがないかもしれないが、典拠となる史料が明記されていないので、研究用にも使い難いと思う。
特別悪いということはないので、どうしても読みたければ読んでみても、という本だが、お薦めするような要素は、余りないだろう。
メモ1点。
岩倉具視華族の政治参与を嫌ったが、木戸考允と伊藤博文華族の政治参与を考えていた。