何故ツンデレは萌えるのか、

という問題を考えてみる。
先ず第一の説として、想いを寄せる相手に拒絶され、ツンツンされた経験のある人にとっては(そのような経験のない人がどれだけいるだろう)、ツンデレは、想いを寄せている相手もツンデレで、本当はデレデレなのだ、と解釈することを可能とさせるために、そのカタルシスによって、萌えているのだ、という考えが思い浮かぶ。
あるいは、第二の説として、好きな相手にわざと冷たい態度を取ったことのある人が、ツンデレに自らを投影することによって、萌えているのだ、という考えもあり得る。
更に第三の説として、人が好きな相手にわざと冷たくするのはどのような場合であるか、ということを鑑みるに、一人の異性を大切にすることが社会的に許容されている大の大人が相手に冷たくする必要はない訳であって、一人の異性よりも遊び仲間である同性集団の方が大切な子供時代に男の子が好きな女の子をいじめるように、その相手を大切にすることが社会的に許容されていない時に、人は好きな相手に冷たく接するであろう、と思われるから、ツンデレが萌えるのは、ツンデレな相手とは、その恋が許されざる恋であるが故に、そのハードルの高さによって、愛が燃え上がるからではないだろうか、ということも唱えてみたい。
第四の説として、単なるマゾヒズム、で片がついてしまうような気も、しないでもないが。
(2月17日付記:第五の説として、ツンとデレとを分極させることで、デレの部分を二人の間の共有の秘密、ツンをその暗号コード、と化し、その効果によって二人の仲が親密化するので、ツンデレは萌えるのだ、という考えもできる。
いろいろあるものだ。ただし、この説などは、現実のツンデレを説明するものではあっても、二次元キャラに対するツンデレ萌えを説明するには足りないかもしれないが。ツンデレ萌えは、架空の二次元キャラに対して、本来全くあり得ない秘密の共有を措定している、という点で、更にディープな世界に一歩を踏み込んだキモイ現象である、といえるかもしれない。
更に付記:次いで第六の説としては、第三の説の派生として、ツンデレは、恋愛に関して経験豊かでも駆け引き上手でもない、ということを表象しており、自らの恋愛テクニックに自信のない者が相手に対して優位に立つことができるために、萌えるのだ、という考えができる。
ただしこの説は、処女・童貞・ロリータ等の経験不足を現す他の様々な属性の内、何故ツンデレが選ばれるのか、ということを説明していない点で、弱い。
と、いうことは、ロリコンに関しても、自信のない者がか弱い相手を選ぶのだ、という考えは、他の同様の属性の内何故ロリータが選ばれるのか、ということを説明していない点で、弱い、ということか)