『日本の漢字』

笹原宏之
岩波新書
ISBN4-00-430991-3
日本における漢字の異体字や国字に関連して、あれこれのことが書かれた本。
特にこれといったテーマはないので、大体のところ、雑学本かエッセイの類と考えれば良い本か(雑学本とエッセイとでは少しく異なるが、形式的にはエッセイに近く、楽しみとしては雑学本に近い、という感じ)。
鬱という字を正確に書けなくて林四郎を縦に並べたような字になってしまう人のことを中世から「林四郎の無学」といった、とか、「春夏冬二升五合」と書いて「あきないますますはんじょう」と読ませた、とか(漢字コードの問題から、その他の異体字や国字の話はメモしづらいのが残念)、雑学本としての楽しみはそこそこあると思うので、雑学本で良ければ、良いのではないだろうか。
余りそれ以外のものを期待する本ではない。あくまで雑学本で良ければ、読んでみても、というところだろう。