『産廃ビジネスの経営学』

石渡正佳 著
ちくま新書
ISBN4-480-06261-0
社会経済構造に根差した犯罪に関していくつかのことが書かれた本。
テーマというかモチーフとしては、著者が関った不法投棄対策をヒントに、アウトローによる経済行動をなくしていくにはどうすれば良いか、ということが論じられた本、ではあるのだが、実際には、とりとめもなくいろいろなことがだらだらと書かれただけのもの。
私には、著者が何をいいたかったのか分からなかったし、何だかよく分からない本ではあった。
けだし、何を、どう論じていくのか、という本書全体の論旨というものがなく、個々の部分を形ばかり整えているだけなので、全体的に説得力を持たせることができていないのではないだろうか。
本書に書かれているようなことを予め真理だと考えているような人ならば、説得力なしでも受け入れるだろうから、面白いと思うのかもしれないが(よく分からないが)、私としては別に薦めるような本でもなかった。