『小笠原クロニクル 国境の揺れた島』

山口遼子 著
中公新書ラクレ
ISBN4-12-150185-3
小笠原の人々の昔語りを聞き書きした本。
特にこれといったテーマはなく、単なる聞き書きという以上のものではないが、悪くもないが良くもない、平均レベルの一冊、という感じの本か。
二つの祖国、みたいなテーマにしたかったのならば、アメリカからの復帰時に日本人となることを選ばなかった人々への聞き取り調査があってしかるべきだったのではないかと個人的には思うが、小笠原のことを全く知らない人なら、それなりには面白く読めるかもしれない。
良くも悪くものんびりとした本なので、良くいえば、そういったもので良ければ読んでみても、というところ。余り強くお薦めする要素はないとは思う。