『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』

清水潔
新潮文庫
ISBN978-4-10-149222-3
足利事件を始め、足利と太田で発生した幼女誘拐殺人事件に関して書かれた本。
基本的にはミステリー系のノンフィクションで、そういうものとしては結構面白いと思う。日本推理作家協会賞受賞というのは分かる。そうしたものでよければ読んでみてもという本か。
欠点としては、一つは、事件そのものは解決していないので、一冊の本としてみたときにカタルシスにはやや欠ける。
もう一つは、真犯人を野放しにするのか、みたいな新潮的タカ派正義感がうざくはある。裁判では真相究明をとか。
だから私としてはあまり諸手を挙げて推奨するような本でもないが、面白いことは面白かったので、ミステリー系ノンフィクションが好きな人ならば、という本だと思う。
そうしたものでよければ読んでみても、という本だろう。