『中世社会のはじまり シリーズ日本中世史1』

五味文彦
岩波新書
ISBN978-4-00-431579-7
中世初期を中心に日本の文化、社会史を概説した本。
政治史を軸に文化の変容を描いているので、政治史の知識が必要ないわけでもなく、かといってあくまでメインは文化史なので政治史を詳しく解説してくれるのでもない、というやや中途半端な本か。
よくいえば渾然一体ではあるので、中世政治史なら解説がなくてもばっちりという人にはいいのかもしれないが、そういう人が得るようなものが多くある本でもないと思う。
概説なので、無味で、読み物として面白くはないし、文化史としても、中世の文化は身体的とかいうのは私にはあまり意味が分からなかった。
シリーズの最初だからここまで、ということかもしれないが、一冊の本としては出来がいいとは評価できない。
全体として特に薦めるような本ではないだろう。