『なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学』

パコ・アンダーヒル 著/鈴木主税・福井昌子 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050406-9
小売に関して、店の設計や商品の配置などについてあれこれと書かれたコラム集。
具体例もあってそれなりに面白いが、その具体例が北米向けだったりするので、アメリカの消費文化や店のあり方を知っていないと苦しい。それでよければ、という本か。
大部の本の割に、それほどの内容もない、かもしれない。
マンガ喫茶の話は、はずしているような微妙な記述だし。多分聞きかじりなんだろうが。
要するに、客が商品を手に取らなければ買うこともない、だから、大人向けの商品は大人が手に取りやすい場所に、子どもがほしがる商品は子どもが手に取りやすい場所に置け、Aを買いに来た客がBの商品も手に取るような配置を、というところか。
いろいろ欠点が目立つ本で、特にということはないと思う。
それでもよければ、というところだろう。

以下メモ。
・客は店に長くいればいるほど多く買うから、座り心地のよい椅子を用意するのは結局店にとって得である。
・入り口付近では、客はまだ他の商品に目を向ける余裕がない。売りたい商品をそこに並べても無視される。
・鏡があると人は歩くスピードを緩め、銀行の前では早く歩く。隣に銀行があるのはよい立地ではない。