『図解・プレートテクトニクス入門 なぜ動くのか? 原理から学ぶ地球のからくり』

木村学・大木勇人 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257834-9
プレートテクトニクスの入門書。
私は、地震とか火山とかについて書かれたものは読んだことがあってもプレートテクトニクスの本は初めてだったので、割と面白く読めた。興味があるならば読んでみてもいい本か。
ただ、体系的な入門というより雑学本的な紹介であり、細部までは必ずしもまだ分かっていないということもあるのだろうが、どことなくはぐらかされているような印象はあった。
入門書として出来がよいとまで評価できるかどうかは微妙なところだと思う。
雑学本的入門書でよければ、それなり。
他によりよい入門書があるかどうか私は知らないので、悪くはないというところか。
興味があれば読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・ウェーゲナーは、大陸移動の根拠として、大陸をまたがった共通の生物化石の存在の他に、古生代の氷河の痕跡が南米や南アフリカ、インド、オーストラリアに存在することをあげた。
・鉱物の結晶も高温高圧化では長い時間をかければ位置関係がずれて変形する。
・地球内部の温度と圧力の条件によって、上部マントルの一部は部分融解してより柔らかくなっている。この部分がアセノスフェアであり、プレートはアセノスフェアの上を滑るようにして動く。
・海水で冷やされた海洋プレートは密度が大きくなってアセノスフェアに対し負の浮力を持つようになる。沈み込んだプレートは、温度が低いために相転移が早く起こってより重くなる。この重みがプレート運動の大きな原動力になっていると考えられる。
・海洋プレートの上には長い間に堆積物ができるが、海溝に沈みこむとき一部が陸側に取り残されることがある。