『海軍良識派の研究 日本海軍のリーダーたち』

工藤美知尋 著
光人社NF文庫
ISBN978-4-7698-2710-8
帝国海軍の条約派に連なる人々に関して書かれた列伝風のエピソード集。
簡単にいえば、海軍善玉論の一変奏というところか。そうしたものでよければ、という本。
研究ではなくエピソード集だし、海軍善玉論がいいたかっただけだし、特にという本ではない。
単純な海軍善玉論なんか成り立たないことが分かっているという点では冷静だともいえるが、都合のいい人の都合のいいエピソードだけ引っ張ってきてもなあ、とは思う。良識的な人もいたのかもしれないが、問題は、結局彼らの意見が大勢にはならなかった、ということにあるわけで。
特に、ということはない海軍善玉論。
それでよければという本だろう。