『教科書の中の宗教 この奇妙な実態』

藤原聖子 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431313-7
倫理教科書における宗教の扱い方の偏向を指摘し、諸外国の例と比べた本。
私の受けた印象では、それなりには面白く、それなりには意義深い、という本か。そうしたもので良ければ、という本。
それなりを超えるものは、あまりないと思う。
それなり以上のものではないそれなり。
なんというか、震災前の原発批判本、を考えると近いかもしれない。著者のいうことはそのとおりなんだろうけど、けどまあ難しいやね、っていう感じが。
そうしたもので良ければ、という本だろう。

以下メモ。
ヒンドゥー教というとガンジス川での沐浴がよく題材になったりするが、アメリカでは、ヒンドゥー系の団体がこれはインドの後進性を強調するものだと非難している。
民族宗教から世界宗教へ、というような捉え方は、世界宗教側の一方的な見方だとの考えが現在は欧米でも強い。
ヒンドゥー至上主義のインド人民党の政権下では、アーリヤ人のインド侵入は否定されていた。
・日本では教科書に「正解」が載っているはずという期待がある。生徒に考えさせ、丸投げするような教育は行いにくい。