『不道徳な経済学 擁護できないものを擁護する』

橘玲 訳・文/ウォルター・ブロック 著
講談社+α文庫
ISBN978-4-06-281414-0
無政府主義的なリバタリアンによる自由原理主義市場原理主義鼓舞の本。
要するにプロパガンダ
極論だし、現実の自由市場は著者が説くほどには巧く動かないと思うが、プロパガンダでよければ、議論のとっかかりとしてはこれもありという本か。
そうしたものなので、それでも良ければ、というところ。
個人的には、いくつか興味深い論点もあった。
プロパガンダで良ければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・人は自分の名誉を所有できるわけではないから、名誉を傷つけることはリバタリアン的には罪ではない。
・お金を使わなければデフレになるだけだから、けちな人は他人の購買力を高めている。
・自由市場においては、コストをかけずに高品質にできるなら、意図的に粗悪品を売るような業者は淘汰されるだろう。
・すべての子どもは出自に関係なく同じ権利を持つ。
 従って、レイプされた女性がその結果として生まれた子どもに養育の義務を負わないならば、すべての親は子どもに養育の義務を負うことはない。