『清水次郎長 幕末維新と博徒の世界』

高橋敏 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431229-1
清水次郎長の伝記。
大体のところは新書レベルの普通の伝記だが、赤報隊入りした黒駒勝蔵等、佐幕派尊攘派の双方からその戦闘力を期待され(維新後には邪魔になっ)た博徒たちの明治維新における動向が描かれていて、興味深かった。
興味があるならば、読んでみても良い本だと思う。
それならそれで、次郎長の伝記ではなく明治維新博徒とのかかわりをテーマにして一冊の本を書いた方が良かったのではないか、という気もしないではないが。
赤報隊は悪い面だけが書かれているように思うし、伝記としてもところどころ抜けがあるようにも思うが、史料の制約もあるだろうから、これはこれでしょうがないのだろう。
後は、普通の伝記。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。

以下メモ。
・岐阜の博徒水野弥三郎は、伊東甲子太郎高台寺党と繋がりがあり、その武力を期待されていた。甲斐を追われ清水次郎長と抗争を繰り広げた黒駒勝蔵は、美濃で弥三郎の元に草鞋を脱ぎ、その縁で、高台寺党の残党が参加している赤報隊の義兵徴募に加わった。