『老化はなぜ進むのか 遺伝子レベルで解明された巧妙なメカニズム』

近藤祥司 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257662-8
老化研究に関する現時点のまとめ。
ちらかったままのまとめではあるが、まとめはまとめなので、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。老化研究の知識をアップデートしたい、というような人には良いのだろうと思う。
これといったテーマがないので分かりやすさや面白みにはやや欠けること、スタチンはペニシリンに匹敵するくらい人類の健康に貢献した、というようなイケイケの医者的発想があること、の二点が欠点か。
後は、まとめで良ければ、という本。
テーマがないというのは、現状その程度しか分かっていない、ということでもあるのだろうから、寧ろこれで良いのだろう。特別でもないが、読まないよりは読んでおいて損はないという本だと思う。
そうしたもので良ければ、読んでみてもという本だろう。

以下メモ。
テロメアは、通常の生物の一生における分裂回数程度では、分裂できなくなるほど短くならない。寧ろ、細胞がガン化して異常分裂した時のストッパーとして働くという考えもある。
・ガン抑制遺伝子の働きが壊れ、それと発見されるには、一対二個の遺伝子が両方壊れないといけないため、ガン抑制遺伝子を発見することは難しい。