『「みんなの意見」は案外正しい』

ジェームズ・スロウィッキー 著/小高尚子 訳
角川文庫
ISBN978-4-04-297701-8
集合知に関して雑多に書かれた本。
しかし余りにも雑多すぎて、私には、本書の中軸となる筋を見つけることができなかった。
著者が何をいいたかったのか分からない、と書きたいところだが、著者は、みんなの意見は案外正しい、といいたかっただけなのだろう。それならそれでもっと他にやりようがあったのではないだろうか。類書の出来がどうなのか知らないが、正直、本書では足りないだろうと思う。
全然面白くないという訳でもないので、読み捨てるならこれもありかもしれないが、逆にいえば、読み捨てる以上のものではない。
それでも良ければ、というところか。
特に、広く薦めるような本でもないだろう。

以下メモ。
・個人の回答には、情報と間違いという二つの要素がある。その回答を集約すると、ランダムな方向への間違いは相殺されて、個人が持っている少しずつの情報が蓄積され、正しい回答へと近づく。
・多様な意見があれば、個人は自分の本当の考えを表明しやすい。