『トロイア戦争全史』

松田治 著
講談社学術文庫
ISBN978-4-06-159891-1
様々な神話や伝説を集成して、トロイア戦争の全過程を提示しようとした本。
断片的には聞きかじったことのあるエピソードがいろいろと出てきて、それが全体的な流れの中でどうなっているのか知ることができたので、私には割と面白く読めた。興味があるならば、読んでみても良い本だと思う。
あくまで全体的なストーリーの提示がメインなので、例えばホメロスヴェルギリウスとでは相当に違いがあるだろうにそうした異同については何も述べられていないし、原典がそうだからなのか本書の特徴なのか分からないが、記述が妙にあっさりしている印象もあるが(アキレス腱の話とかも、知らない人は別に気に留めることなく読み流してしまうのではないだろうか)、悪い本ではないと思う。
全体の物語の流れを提示したものなので、そうしたもので良ければ、という本。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。