『女は何を欲望するか?』

内田樹
角川oneテーマ21
ISBN978-4-04-710090-9
フェミニズムに関して書かれた本。
内容は二部に別れていて、I部は、大体のところ、フェミニストは、現在の言語は男性中心主義の元で形作られたものであるから、女性は女性としての言語を求めなければならない、と主張するが、結局、女性に限らず人間ならば誰しも、他人の言語を使って自己を構成しているのではないか、とフェミニズムを批判したもの、II部は、映画「エイリアン」シリーズについて、体内から出てくるエイリアンというモチーフは、生殖のメタファーであるという観点から、それと戦い、拒絶する女性主人公の話として分析したもの。
フェミニズムという共通点はあるものの、このように二つに別れているので、一冊の本としては、ファンが読んどけば的なものにならざるを得ないような本だろうか。
内容的にそれ程特別ということはないが、ファンが読むのならこんなもの、という本。
全体の主題と結論とが妙にリンクしていない気はするが、それは多分そういう芸風なのだろう。
そうしたもので良ければ読んでみても、という本だと思う。