『わかる現代経済学』

根井雅弘 編著
朝日新書
ISBN978-4-02-273187-6
ケインズとのかかわりを中心に、現代経済学の諸派を素描した本。
基本的に、ケインズを高く評価し、ケインズに批判的な諸派を低く評価した視点からの見取り図で、軽く素描しただけなので、余り深く突っ込んだ内容がない割には説明も簡単ではないが、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。
経済学を全く知らない人には少し難しいように思うし、本書をすらすらと読みこなせるレベルの人に訴えるような内容もないのでは、という気はするのだが、経済学は大学生の時に勉強したけど、その後はフォローしていない、というような人なら良いのか。団塊の世代の大量退職者をあて込んだ商売なのだろうか。
一冊の本としての出来は必ずしも良いとは思わないが、何冊かの内の一冊ならばこれもあり、というところ。
そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。
以下メモ。
・利子率が低下すれば投資が増加するという効果は、実際には否定されている。
・内生的貨幣供給論者は、中央銀行がマネーサプライをコントロールすることができるという考え方に反対する。