『戦国軍師の合戦術』

小和田哲男
新潮文庫
ISBN978-4-10-128852-9
戦国時代の呪術的民俗に関して書かれた本。
呪文やおみくじ等、戦国期における呪術的民俗の事例があれこれと集められたもので、大体のところ、それらについての雑学本、と考えておくような本か。
そう特別でもないが、雑学本としては別に普通にありそうな雑学本。
やや軍記物に頼り過ぎ、という気もするが、雑学本で良ければ、読んでみても、という本だろう。
以下メモ。
連歌会を開き、その連歌を神前に奉納して出陣すれば、勝利を得られる、という信仰があった。
・軍扇を普段と表裏逆に持つと、悪日を吉日にできるという作法があった。
・軍議で結論が出ない場合等におみくじを引いて決めることは、神意を聴くことなので、全員を納得させる効果があったものと考えられる。
(くじ引きで選ばれた将軍も、そう馬鹿にはできないのかもしれない)
・石垣に使う石が採石場から運ぶ途中で落ちてしまった場合、城を築くのに「落ちる」はタブーなので、落ちた石はそのまま捨て置かれた。