『アラビアンナイト 文明のはざまに生まれた物語』

西尾哲夫
岩波新書
ISBN978-4-00-431071-6
近代におけるアラビアンナイトの受容と変容について書かれた読み物。
雑学読み物というよりは、好事家向けの読み物で、これといったテーマがなく、記述が中途半端で茫洋とした印象は受けるが、読み物としては、こんなものといえばこんなものという本か。
特に良い本でもないが、読んでみたいのなら読んでみても、というところ。文学に興味があって読み物で良ければ、悪いという程ではないだろう。
私は余り文学は好きではないので、特に良い本だとは思わなかったが。
だったら最初から読まなきゃいいじゃん、ってことだよな。もうちょっと歴史よりかと思ったんだよぉ。
以下メモ。
千一夜物語は、1704年に、アントワーヌ・ガランによってフランス語に訳され、ベストセラーになった。アラビアンナイトは、その英訳の題名からきている。
・ガランが訳出に使用した写本は、かなり古い形態を持つと考えられているが、現存するその写本には、シンドバッドもアリババもアラジンも空飛ぶ絨毯も入っておらず、ガランはそれらを他から持ってきたらしい。
・アラジンが住んでいるのは中国の町という設定になっている。