『数学的ひらめき』

芳沢光雄 著
光文社新書
ISBN4-334-03377-6
数学に関する読み物。
「日常生活や社会現象に現れる題材を」使って、というのが著者としては売りのようだが、確かに使ってはいるのだろうものの、読み物なんていうのは大抵そうしたものだろうし、その点はどこまで評価して良いのか分からない、全体的には漫然とした数学読み物。
特徴としては寧ろ、数学的にきっちりとしていて証明がいちいち与えられていることが売りという本か。
だから、証明を吟味したりするのが楽しめる数学好きな人ならば読んでみても、というもの。そこが楽しめるなら、そんなに特別ではないがそれなりの読み物だろう。
全体的に漫然としていて、特にテーマも感じられないので、余り特別なものではないと思う。また、まだ数学嫌いが刷り込まれていない子供はともかく、大人で数学嫌いに凝り固まってしまったような人が楽しめる本でもないのではなかろうか。
そうしたもので良ければそれなりの読み物。興味があるのならば読んでみても、というところだろう。
以下メモ。
・送信するビットに冗長性を持たせて、一定回数の送信エラーが起こっても互いに重ならないような符号をやり取りすれば、誤りを訂正することもできる。
・高いところから水平線を眺める時、その地点と水平線上の点を結ぶ直線は地球円周との接戦になるから、地球半径、地球半径+地上高さ、を2つの辺とする直角三角形の残りの辺をピタゴラスの定理より求めれば、それが水平線までの距離である。