『僕は八路軍の少年兵だった 中国人民解放軍での十年間』

山口盈文 著
光人社NF文庫
ISBN4-7698-2507-2
敗戦後に中国で人民解放軍の兵士となった人物による半自伝的な回想録。
大体のところ、別に普通の回想雑録で、敗戦の混乱とその後の中国大陸を体験してきたというのは貴重な経験だろうから、興味があるならば読んでみても良い本だと思う。
八路軍といっても余り派手にドンパチしている訳ではないが、のらくろみたいな楽しさがある。(←のらくらなんか持ち出して分かるのかよ)
少し何でも批判的に見過ぎではないかと思えるくらい、割と地に足のついた批判精神の持ち主のように感じられ、私としては結構面白く読めた。ですます体で書かれているまえがきとあとがきは微妙に読み難い感じがするが、本文は基本的にですます体ではないので、大丈夫。後は普通の回想録なので、敗戦後の混乱の中、中国で人民解放軍の兵士となったという著者の経歴を面白そうだと思えるのならば、読んでみても良いのではないだろうか。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。
メモ1点。
中国共産党にはタン案という内申書のようなものがあって、人物が判断される。それを記述する党の書記にはゴマすりが欠かせない。