『「風が吹けば桶屋が儲かる」のは0.8%!? 身近なケースで学ぶ確率・統計』

丸山健夫 著
PHP新書
ISBN4-569-65432-0
確率・統計についての入門読み物。
なんだか光文社新書みたいなタイトルの本だが、実際、光文社新書みたいな入門読み物ではある。なるほど、こういうタイトルはこういう中身だから付けられるのだろうか。
若干問題点もなくはないが、入門読み物としては、そこそこ、悪くない本ではないかと思う。興味があれば、読んでみても良いのではないだろうか。いろいろな具体例を使っているので、面白く読めるということはある。
問題点というのは、一つには、ダイエット広告の話は、ランダムサンプリングになっていないから、例として駄目だと思うこと。もう一つは、本書の最後の方は、カイ2乗検定とかt検定とかの話になっているのだが、数式を使わずにイメージだけ伝えるにはこんなものであるのかもしれないとしても、深く納得できるような説明にはなっていないのではないかと思うこと。こういった説明は、えてして三日で忘れるに十分な訳で、この部分に関しては余り出来がよくないと私は考える。
しかし、全体的には、そこそこ、こんなものか。悪くない本ではないだろうか。興味があるのなら、読んでみても、というところだろう。
以下メモ。
・英語ではコインの表裏はヘッドとテイルという。向こうのコインには大抵人物の肖像が描かれているので、人の頭のある方がヘッドですぐ分かる。
・母集団からサンプルを取る時に、最初の一つをランダムで取り、後は等間隔でサンプルを取るようなやり方を、系統抽出という。