『前立腺 男なら覚悟したい病気』

平岡保紀 著
祥伝社新書
ISBN4-396-11039-1
前立腺肥大症や前立腺がん等の前立腺の病気について書かれた本。
一般向けの医学概説書、と考えて大体間違いないが、ほぼ前立腺の病気のみが扱われているので、症状や治療方法等が割と詳しく書かれている。
著者が開発した術式に関する手前味噌的な部分とか、悪いものは切ってしまえといった外科医的頑迷さとか、非専門家の私にはどう評価して良いのか分からない部分もあるが、それ以外の部分では、一般向けの医学概説書としては必要十分な程に詳しく書かれていると思うので、良い本ではないだろうか。
興味があるならば、読んでみても良い本だとしておきたい。
基本的にはベタな一般向け医学概説なので、述べておくようなことは余りない。興味があれば、というところだろう。
以下、メモ。
前立腺は、第二次世界大戦後に使われるようになった言葉で、ラテン語のプロ(前)とスタータ(立つ)を合成した欧米語からの直訳である。プロスタグランジンは、最初精液から分離され、前立腺に由来する名前が付けられた(実際には精嚢腺から分泌される)。
・高齢になると夜間の尿量が増えるので、夜中に1〜2回トイレに起きるのは、生理的な範囲。
前立腺がんは、腫瘍マーカーPSA前立腺特異抗原)」を使った血液検査によって、かなり分かる。
前立腺内に精丘という膣の残滓がある。
・小さな針状にした放射性同位元素を前立腺に埋め込んで、その放射線によって癌細胞を攻撃する小線源療法という治療法もある。