『信長は謀略で殺されたのか 本能寺の変・謀略説を嗤う』

鈴木眞哉・藤木正行 著
洋泉社・新書y
ISBN4-89691-995-5
本能寺の変明智光秀以外の黒幕がいたという説をあれこれと批判した本。
要するに、陰謀論批判をした歴史読み物。そういった内容の本なので、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。
内容を想定しやすい本だと思うし(私がこの著者達の本を読むのは初めてではないからそう思うのかもしれないが)、これといって特に記しておくようなことはない。私はこういった本は好きなのでそれなりに楽しめたが、悪くいえば、期待以上に面白かったということはない。
特別でもないが悪くはなく。読んでみたければ読んでみても、というところだろう。
以下メモ。
本能寺の変は、わずかな手兵で行動した織田信長と、その信長の近くにあって中国遠征という名目で誰にも怪しまれることなく兵を集めることができた明智光秀、という好機を捉えて起こされたが、その好機を作ったのは信長の判断や命令だから、光秀がこの好機を捉えて単独で変を起こしたという以外の説を主張するには、そこがネックになる。
・謀叛を決意した明智光秀が実行部隊となる重臣たちに諮って同意を得たのは、変の前日であったとされるが、ことが露見する恐れを考えれば、直前まで黙っていたことは当然と思われるものの、諮った時に反対を受けずにスムーズに賛同を得られるためには、事前に、光秀主従の間でそれと分かるような、信長と光秀(主従)との間の遺恨があったとしてもおかしくはない。