国際援助について考えてみるテスト
http://d.hatena.ne.jp/flapjack/20050123
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200501100000/

1.ある発展途上国に対する資金援助を考える場合、この国のマクロ経済モデルとして単純なケインズ理論を考えた場合、借金であっても(つまり援助国である日本から見た時に無償援助でなく円借款であったとしても)、援助額が大きい方が有利、結果的なGDPの総額は大きくなる、のではないだろうか。

2.別のモデルで考える。日本側の立場として、一千億円の無償援助と三千億円の円借款が同等であったとする。発展途上国では、1000億円を投資すると最終的なGDPが1800億円増加し、3000億円を投資した場合には投資効率が多少下がって最終的なGDPの増加額が5000億円になるとすれば、5000億円から3000億円を償還しても(金利0%として)最終的なGDPは2000億円の増加になるから、無償援助よりも円借款の方が利得が大きい。こういうケースは、結構あるのではないだろうか。

3.単純なケインズモデルに対して単純なルーカスモデルを考え、増加したGDPがインフレによって相殺されるとすると、考えるべきは、その投資によってどれだけ生産性を上げられるか、ということになるだろう。GDP=労働時間*生産性とすると、円借款によって生産性が上がらない場合には、借金を返すために労働時間を増やせ、ということになる訳だから、有償援助の方が相手国のモラルを荷担するから良い、というのは、借金を返すためにただ働きしろといっているだけなので、余り巧い理論武装ではないように思う。それよりも良い理論武装としては、償還を前提とした有償援助の方が、生産性の上がる投資案件へのインセンティブが働くので、途上国への資金援助として優れている、と主張してみるのはどうだろう。(投資案件を日本側が指定する場合、このインセンティブは無効になるが)