何故テロリストが生まれるのか http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20040501

一般的には、テロは正規戦で勝てないから起こす、とするのが有力ではないかと思う。そうすると、何故テロを起こすのか、という疑問は、何故正規戦を起こすのか(何故戦争するのか)、という疑問と、何故勝てない戦をするのか(無駄死にではないか)、という疑問とに分割できる。
前者については、そんなことがはっきり分かれば苦労はないが、テロの前段階として、敵愾心、復讐心というものを考えると、何らかの根源的な喪失(感)が、あるのではないか、という可能性があるかもしれない。
後者については更に、テロには効果がない、というマクロレベルでの拒否と、テロの効果は認めるが、それが何故個々人の自発的な死に繋がるか分からない、というミクロレベルでの疑問とが考えられる。マクロレベルについては、テロの存在はその効果があると見る人々が存在することを意味するだろうし、ミクロ的には、そのような効果によって利得を得る人々からの、有形無形の社会的圧力、経済的援助、思想的イデオロギー的強制等の存在が十分に考えられるだろう。
パレスチナのテロは結構無駄死にのような気もするが。あれだって、アラファト等の指導部がパレスチナ社会を支配するのに有効であるには違いない。
思うに、現在のイスラムテロリズムにおけるパレスチナの影響は、多分決定的なものではないだろうか。というより、現代のイスラム・アラブ社会には、パレスチナゲリラの刻印が構造的に組み込まれているのではないか。ゲリラを利用する側から、利用される側への、社会的経済的思想的通路が出来上がっており、パレスチナゲリラを生み出すための評価のシステムが、現在のイスラムテロリストを生み出す評価の体系に、シフトしているのではないだろうか。