『昭 田中角栄と生きた女』

佐藤あつ子 著
講談社文庫
ISBN978-4-06-277883-1
越山会の女王、佐藤昭(改名して昭子)と田中角栄との間にできた娘が、母と自身の半生をつづった本。
つらつらだらだらと書かれた読み物的な本ではあるが、田中角栄のことをある程度知っているなら面白く読める本だと思う。興味があるならば読んでみてもよい本。
ただし、テーマ的には、越山会の女王の実態というようなものはほとんどなく、愛人としてのあり方、愛人の子としてのあり方、というものが主な内容になっている。
持てる者の悩みでしかないとはいえるが、人に人生あり、というところではある。
そうしたものでよければ、という本だろう。