最近の食品値下げで思ったこと。

近所のパン屋さんに、250円くらいだがちょっと美味しい食パンが売られている。
大昔、ここの食パンは200円くらいだったのだが、当時、スーパーでは大手メーカー製の食パンが150円くらいで売られており、私は、このパン屋さんの食パンに50円を出す魅力を認めずに、大抵はスーパーで安い食パンを買っていた。
しかし、この一年くらいの相次ぐ食品値上げで、スーパーで売られている大手メーカー製の食パンは200円くらいになり、一方でパン屋さんの食パンは250円くらいになった。
つまり両方共に50円値上がりした訳だが、その結果、私は一時、同じ50円差であるにもかかわらず、このパン屋さんの食パンを買うことが多くなった。
思うに、価格差は同じ50円のままでも、比率としては1.33倍から1.25倍に低下した訳で、価格面からスーパーの安い食パンを選ぶインセンティブが低下したのではないだろうか。
極端な話、1万円と1万50円の商品があって、両者の味が確かに違って1万50円の商品の方が美味しければ、多くの人はためらうことなく1万50円の商品を買うだろうから、実際に価格が人に与えるインセンティブは、その差額よりも比率によるところが大きいのだろう。
(ところが、不況のせいか食品値下がり傾向のせいか(小麦粉の政府売渡価格は上がったはずだが)、最近になってスーパーの食パンは値下がり傾向にあり、ここ一週間程は170円くらいで買えるようになって、私は再び、スーパーの食パンを買うことが多くなった。両者の価格比率は1.25倍から1.47倍に開いたのである)
ふと思ったのだが、お金持ちの人というのは、このようにして高いものを消費するようになるのだろうか。
(例えば、普段100g2000円の牛肉を食べている人が100g2500円の牛肉を買うことは、普段100g1500円の牛肉を食べている人が100g2000円の牛肉に手を出すことに比べて、心理的抵抗が小さく、回数も多いのではないだろうか)