『裁判中毒 傍聴歴25年の驚愕秘録』

今井亮一
角川oneテーマ21
ISBN978-4-04-710134-0
有罪率99%以上の馴れ合い裁判を揶揄した本。
確かに形としては裁判傍聴記だが、メインモチーフは、裁判に現れた検察と裁判官との馴れ合い――上級審ではまず間違いなく国に有利な判決が出るとか否認すると執行猶予がもらえないとか――を描いたものであり、選択にあたっては、そういうものとして考えておいた方が良い本だろう。
そういうもので良ければ、読んでみても、という本か。
現状の司法を批判したかったのなら、裁判傍聴記という仕立てにせず、もっと正面からそれを論じるべきではなかったかとも思うが、裁判傍聴記の方が軽い読み物として読める、ということはあるかもしれない。
そういうもので良ければ、というところだろう。