『原発・正力・CIA 機密文書で読む昭和裏面史』

有馬哲夫 著
新潮新書
ISBN978-4-10-610249-3
1950年代の原発導入を巡る正力松太郎とCIAとのかかわりを描いたノンフィクション読み物。
基本的な図式としては、原子力導入という実績をてこに、総理を目指し、総理の権限を使ってマイクロ波通信網を建設したかった正力松太郎と、日本における反核反米感情を静めるために原子力の平和利用を訴えたかった(そして旧敵国の日本に動力炉を提供するまでの気はなかった)CIAとの、同床異夢の関係を描いたもので、当時の政界や正力等の動きがほぼ編年順に一通りまとまっていて、割と分かりやすいので、ノンフィクション読み物としては悪くない本だと思う。
そうしたもので良ければ、読んでみても、という本。
ノンフィクション読み物という以上のものではないが、ノンフィクション読み物としては、まずまずの本だと思う。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。