『アイとアユム チンパンジーの子育てと母子関係』

松沢哲郎
講談社+α文庫
ISBN4-06-256971-X
チンパンジーの子育てに関して書かれたエッセイ。
研究用に飼育しているチンパンジー、アイの息子のアユムが0歳から2歳になるまでのことが、割とリアルタイムに書かれたもので、基本的に、特にこれといった内容や特色はない、普通の、というかありがちなエッセイ。
生物学エッセイというよりは、新聞連載が元になっているということで、チンパンジーの子育て週刊報告、みたいな感じの読み物、といったところだろうか。
新聞連載なので、重複もあり、切れ目がはっきりと分かる部分もあるが、難しいようなところは全くないので、興味があるならば読んでみても、という本ではないかと思う。
ただし簡単な分、余りたいしたことは書かれていないような気もするが。
簡単な読み物で良ければ、というところ。興味があれば、悪い本ではないだろう。
メモ1点。
チンパンジーの赤ん坊は、ヒトの赤ん坊のように泣くことはないが、常に母親にしがみついている。ヒトの赤ん坊は、母親に常にしがみつくことはないが、ことあるごとに泣き叫ぶ。