『人名用漢字の戦後史』

円満字二郎
岩波新書
ISBN4-00-430957-3
子供の名前として戸籍に登録できる漢字の制限について、その歴史を追った本。
要するにタイトルそのままの本であり、全体としてはそれなりに面白かったので、興味があるならば読んでみても、という本なのかもしれないが、ただし、私としては、「漢字の封建的性格」というものが具体的にイメージできず、それがあったとかなくなったとか言われても余りぴんとこなかったので、この一点だけを以って、本書に及第点は付けられない。
それ以外は大体普通の通史だと思って良いと思うので、漢字の封建的性格、がイメージできる人ならば良いだろうし、それに目をつぶって読んでみる手もあるかもしれないが。
しかし、私としてはお薦めにはしない。
ちなみに、人名漢字の制限撤廃に戸籍業務の実務家たちが反対したのは、既得権益、ということなのだろうか。