『闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶』

半田滋 著
講談社+α新書
ISBN4-06-272331-X
自衛隊の海外派遣を巡るドタバタ振りをいくつか描いた本。
それ程たいしたことが書かれているのでもないが、それなりの読み物といえば読み物という本か。改憲反対、という通奏低音が結構うざいので、私には余り好きになれる本ではなかったが、そうしたもので良ければ、読んでみても、というところ。
しかし、著者は普段付き合って取材している自衛隊制服組の人たちに対してそれなりの共感なりリスペクトなりは持っているようで、その上で、改憲反対という方向に導こうとするならば、制服組の上にいる背広組や官邸が悪いという風にならざるを得ないだろうということは容易に考えられ、著者が本書で行っているような官邸批判がどこまで当たっているのかには、疑問の余地があるかもしれない。
そうした点も含めて、私としては余りお薦めするような本でもない。
以下、メモ。
サマワ自衛隊は、外務省に権限があるODAを使って、イラク人を雇い、公共施設を作っている。つまりODAで安全を買っている。
御巣鷹山日航機事故の時、自衛隊の現地部隊に夜間暗視ゴーグルがなく、夜明けまでヘリが飛行できなかった。