『将軍と側近 室鳩巣の手紙を読む』

福留真紀 著
新潮新書
ISBN978-4-10-610598-2
室鳩巣の手紙等を集めた『兼山秘策』を元に、鳩巣から見た幕府中枢政治のありようを探った本。
そういう本なので、当然室鳩巣の政治思想が中心に来るわけだが、個人的にはその儒教的政治姿勢に十分批判的であるとは思えず、現代の目から見るとかなりグロテスクな本であるように感じた。
ルビも少ないし、現代語訳があるから切り捨てたのだろうが候文が読めない読者には大変だろうし、かなり上級者向きの本だと思う。
それでもよければ、という本か。
あまり一般向けな本ではないだろう。