『キャラクターメーカー 6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」』

大塚英志
アスキー新書
ISBN978-4-04-870004-7
ジュブナイルにおけるキャラクターのあり方、作り方について書かれた本。
基本的には、中途半端で、丁寧な作りではなく、余り良い本だとはいえないと思う。
キャラクター作りのマニュアルとしては、他に類書がなければ、というところか。
全体に、どこかから文芸論や物語論を引っ張ってきて、コピペしただけの代物で、咀嚼して自分の言葉として語っているのではないように見える。大学の講義を元にしている、ということで、権威付けのためにやっている面もあるのだろうが、マニュアルとしては、無駄に難しくなっているだけではないだろうか。第5講なんかも、キャラクターには助手とか贈与者とかの物語上で果たす機能がある、というテーマは分からなくはないものの、実際には単一神話論等についてのぐだぐだとした紹介が続くだけになっているし。
一冊の本としては、余り出来の良くない本だと思う。
キャラクター作りのマニュアルとして、他に類書がなければ、というところだろう。
以下メモ。
・キャラクターには、ぬいぐるみ等のような、幼児が母親から分離していく段階で母親や乳房の代わりとなる移行対象という面がある。
・主人公に何らかの過剰や欠如があれば、物語を動きやすくする。