『数学する精神 正しさの創造、美しさの発見』

加藤文元 著
中公新書
ISBN978-4-12-101912-7
数学に関して書かれたエッセイ。
内容云々は措いといて、選択に当たっては、数学に関して書かれた試論、とでも考えておくのが良い本か。
(内容としては、大体において、パスカルの三角形を色々に拡張していったものであり、主題的には、人間と(数学的)意味、というようなことが書かれている)
はっきりとしたテーマや特別な内容はなく、茫洋とした感じの本ではあるが、別に悪い本ではないと思うので、中公新書で数学に関して書かれたものを読んでみたい、と思えるくらいの人ならば、読んでみても、という本。
数学者的神秘主義の思考理由の一端が垣間見られたし(美しいものは正しい!)、個人的には、それなりに楽しめた。
興味があるならば、読んでみても、という本だろう。
メモ1点。
古代ギリシャ人にとって、数は、完全に抽象的な記号ではなく、具体的な事物に即したものだったから、数の計算にも具体的な事物と関連の深い図形が用いられた。