『ワインと外交』

西川恵 著
新潮新書
ISBN978-4-10-610204-2
饗宴外交に関して書かれた本。
基本的な内容は、誰それがどこそこに行った時の饗宴には、どういう食事が出されて、飲み物(主にワイン)は何だったか、ということが記述されたもので、そんなんで面白いのかと私なら思う訳だが、それで面白そうだと思える人向きの本なのか。
ワインとかグルメとかに興味がある人には、良いのかもしれない。
雑誌の連載を元にしている、ということで、時事解説としては、饗宴の内容から両国の関係や関係の変化へ向けたホスト国のメッセージを読み取る、というのは確かにありなのではあろうが、ある程度リアルタイムに読める雑誌ならばともかく、一冊の本としては、そこにもう一つ何かテーマが欲しかったところではないだろうか。
蘊蓄系の話もなくはないが、メインでもないし、饗宴外交とは関係ない、何とかの料理にこのワインは合う、という話が多い。
料理の種類やワインの銘柄がずらずらと書かれているのだけを見て楽しめる、という人には良いのかもしれないが、私には、本書は物足りなかった。
以下メモ。
鳥インフルエンザが流行して以降、多くの国で外国の首脳に野鳥や鶏を出すのは控えるようになった。
・中国の首脳は外国を訪問する時プロトコルにこだわるが、それはその歓迎振りを国内に見せつけるためである。