『満州と自民党』

小林英夫 著
新潮新書
ISBN4-10-610142-4
岸信介を中心に、満州国にかかわった人間の戦後の動向を追った本。
一応は、彼らが満州で行おうとした経済統制が戦後の日本経済の雛形になったのだ、という話がメインテーマであると思われるが、実際のところはテーマといえる程のものではなく、だからといって他に何かあるのかというと、それ以外にはないという、何だかよく分からない本ではあった。
中心にあるべき芯がなく、勃起していないペニスみたいな感じの本。
満州国で行われた経済統制をモデルに戦後日本の経済体制が築かれたと論証しているのでもないし、そのような経済体制が戦後日本の経済発展の礎になったと論証しているのでもないし、論証もなく、適当に岸を持ち上げて、終わり、といったとりとめのない本。
基本的に良い本ではないと思う。私としては薦められる本ではなかった。