『使える!確率的思考』

小島寛之
ちくま新書
ISBN4-480-06272-6
確率論に関して書かれた読み物。
大雑把にいって、普通のありがちな数学エッセイ(後半部分は、数学というよりも数理経済学寄りだが)、と考えて大体間違いはない、という本か。
SPAMをスパンと表記したりとか偏差値を貶めようとして暴走しているとか、私には妙な感じを受ける部分もあるが、全体的には、そう特別に面白くもないが悪くもない平均レベルの本。個人的にはそうたいしたことは書かれていないと思ったが、駄目という程、悪い訳でもない。
後は、特に記しておくことはない普通のエッセイなので、興味があるのならば、読んでみても、というところだろう。
メモ1点。
・機械の故障を統計にとると、その故障確率は幾何分布になる。確率が幾何分布になるのは(サイコロを振った場合に前の出目が以降の出目に影響を与えないような)無記憶性を持つ時なので、10時間使った機械も200時間使った機械も、後何時間使えるかという確率は、変わらない。