経緯を知るだけなら

中先代の乱 北条時行鎌倉幕府再興の夢』
鈴木由美 著
中公新書
ISBN978-4-12-102653-8
中先代の乱について書かれた本。
前後の経緯を含めて、乱の紹介だけなら、それなりに面白くて読める本。歴史好きならば、というところか。
ただし、これらの反乱の背景に建武政権に対する不満があり、中先代の乱足利尊氏を鎌倉に呼び寄せ後醍醐から離反するきっかけとなった、というのなら、建武政権に対する不満のあり様こそが中心的なテーマになるべきではなかっただろうか。
そこをネグレクトしてしまっているのは、どうも、という感想。
まあ難しいのだろうが。
それでも良ければ、という本だろう。