ダークマター解説本

『見えない宇宙の正体 ダークマターの謎に迫る』
鈴木洋一郎 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-521688-0
ダークマターについて書かれた本。
入門書というほど簡単ではないが、それなりに簡便な解説で、簡易解説で良ければ、という本か。
ダークマターをメインにした本というのはあまりないように思うし。
ただし、ダークマターは正体が分かっていないわけで、明日発見されて本書の説明とは斜め上のところにあった、となる可能性もないわけではない。
今この本がドンピシャかというと、あやしいものはある。
後、ダークマターなので当然素粒子論に入っていくわけだが、素粒子論をまったく知らない人には多分厳しい。
素粒子論はある程度知っているがダークマターはよく知らないという人向け。
つまり私向けか。
だから、私は悪い本ではないように思った。
それで良ければ、という本だろう。

以下メモ
・銀河同士が衝突したとき、星間物質はお互いにぶつかって遅れるがダークマターはすり抜けるので、星の分布とダークマターの分布がずれる。
弱い相互作用をする重い粒子(WIMP)は、少し前までダークマターの最有力候補と考えられてきたが、観測精度が上がってきているのに発見されないので、存在できる領域は少なくなっている。
・CP非保存となる相互作用をするとき、この表面上非保存となったCPを持ち去っていると考えられる仮説上の粒子をアクシオンといい、ダークマターの候補である。