物理学読み物

『2つの粒子で世界がわかる 量子力学から見た物質と力』
森弘之 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-516041-1
ボーズ粒子とフェルミ粒子に関して書かれた物理学読み物。
全体的にどうということもない物理学読み物だが、ボーズ粒子とフェルミ粒子に的を絞ったという点では珍しいかもしれない。それで良ければ読んでみてもという本か。
物理学読み物を何冊も読むような人なら、これもありだろう。
内容的には、あまりたいしたことはない。というか、ボーズ粒子はボーズ・アインシュタイン凝縮を起こし、フェルミ粒子はクーパー対を作ってボーズ・アインシュタイン凝縮を起こす、としか書かれていないような。ボーズ・アインシュタイン凝縮についての詳しい説明があるのでもなし。
物理学読み物を何冊も読むうちの一冊なら、これもあり。
それで良ければ、という本だろう。
以下メモ
量子力学では同じ種類の複数の粒子を区別することができない。
同じ種類の二つの粒子について位置x1とx2の波動方程式f(x1,x2)を考えると、波動方程式の二乗はその位置での粒子の存在確率を示すので、個々の粒子を区別できないためには
(f(x1,x2))^2=(f(x2,x1))^2
が成り立つ。
よって、f(x1,x2)=±f(x2,x1)
同じ種類の二つの粒子を入れ替えたときに波動方程式の符号が同じなのがボーズ粒子、符号が反転するのがフェルミ粒子となる。
ある粒子が偶数個のフェルミ粒子からできている場合、二回符号反転を行えば元に戻るので、ボーズ粒子と見なせる。