かくすればかくなるものと知りながら

『今日から使えるフーリエ変換 普及版 式の意味を理解し、使いこなす』
三谷政昭 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-515500-4
フーリエ変換が工学分野でどのように使われるか、紹介した本。
というわけで、ざらっというと、フーリエ変換の数学的原理を予め理解した人が、その工学的展開を知るための本、というところ。そういうもので良ければ、という本か。
一冊の本ですべてを説明する、なんてことは所詮できないのだから、これはこれでというものかもしれない。
分かる人には。
こうすればこうなる、ということは書かれていても、どうしてそうなるかという数学的原理は、ほとんど説明されていない。
そうした数学知識を有している人向き。
それで良ければ、という本だろう。

以下メモ。
フーリエ変換は、時間軸に沿って進む正弦波という時間領域の表現から、周波数領域の表現への変換である。
オイラーの公式(e^iθ=cosθ+isinθ)を使えば、正弦波と複素数極座標表示を関連付けられる。
正弦波は、複素平面上を時計回りに回転する正の周波数と、反時計回りに回転する負の周波数の成分に分けられる。