あまり分かりやすい本ではない

百姓一揆
若尾政希 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431750-0
百姓一揆が表象している近世の政治思想を探ろうとした本。
表象という、そういう分かりにくい本だし、はっきりした結論めいたものもなくグダグダしているので、あまりいい本だとは思えないが、そういうものでよければ、という本か。
百姓一揆の実態に迫った本ではなく、むしろ百姓一揆物語について書かれたもの、と考えたほうがいいが、それが主題ではない、というのが困ったところ。
そういうグダグダした本ではある。
内容的に、悪いともいえないが、よいともいえない。
ある物語類型が流行った背景にはその物語類型が象徴している思想があるのだろうから、特定の物語があるから云々、ということはあまり言えないのではという気はするが。
それでも良ければ、という本だろう。