フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』
藤岡換太郎 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-512871-8
フォッサマグナについて書かれた本。
フォッサマグナに関して現状分かっていることのまとめと、フォッサマグナがどのように生成したかについての著者なりの試論が書かれていて、個人的にはとても面白かったが、客観的にはそんなにたいした内容でもないような気がするので、好事家向けの本か。そうしたものでよければ、読んでみてもという本。
中央構造線の南側には三波川変成帯、秩父帯、四万十帯があり、北側には領家変成帯があって、離れていた三波川変成帯と領家変成帯がかつてあったイザナギプレートの北上で接するようになって中央構造線ができた、とか、丹沢地塊は火山岩サンゴ礁石灰岩や島弧の下部で作られた深成岩からできており、かつては伊豆小笠原諸島の一角をなしていたものがフィリピン海プレートの北上で本州にぶつかったものだと考えられる、とか、三枚以上のプレートが接している点のうち三つの海溝が接しているのは、日本海溝伊豆・小笠原海溝と相模トラフが接する房総沖海溝三重点しかない、とか、地学の好きな人には楽しめると思う。
それでよければ、という本だろう。