『関数とはなんだろう 三角関数から複素関数・超関数まで』

山根英司 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257606-2
関数に関して書かれた本。
大体のところ、好事家向けに書かれた数学読み物、と考えておけば間違いない。関数に関していろいろと書かれているので、それなりに楽しめる本だと思う。そうしたもので良ければ、読んでみても良い本。
好事家向けというのは、難しくても泣き言を言わない人向けということか。全体的且つ極端に難しいということはないので、ある程度大丈夫だが、それでも優しくはない。
あくまで好事家向けの数学読み物で良ければ、読んでみても良い本だろう。
以下メモ。
・指数関数e^xについて、その導関数がe^xとなるeが、自然対数の底である。
e^xについては、そのべき数級展開、e^x=1/0!+x/1!+X^2/2!+X^3/3!+…が成り立つが、右辺を微分すると、順番が一つずつずれて、同じものになる。
・(e^ax)'=ae^ax
・従って、y=e^ixを2階微分すると、-e^ixとなり、y=e^ixは、2階微分方程式y''=-yの解となる。
三角関数については、(sinx)'=cosx、(cosx)'=-sinxなので、y=sinxもy=cosxも、2階微分方程式y''=-yの解となる。
・こうしたことから、オイラーは指数関数と三角関数の関係に気付き、オイラーの公式、e^ix=cosx+isinxを導いた。
・この公式で、特にx=πの時、e^iπ=cosπ+isinπ=-1+i0=-1となる。