『フィルターバブル インターネットが隠していること』

イーライ・パリサー 著/井口耕二 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050459-5
インターネットにおけるパーソナルフィルターに関して書かれた本。
フィルターバブルというのは要するに、ネットにおいては個々人がそれぞれにフィルターという枠に包まれて、泡のようにバラバラになってしまう、というところからつけられた命名で、主題的には、その結果、広大で自由なインターネットが消えてしまう、と警告を発したもの。
ただ、よくいえば警告としてはこんなものなのだろうが、全体的に長すぎか。長い分は、何もかもが悪い方に向かっています、というやつにしかならないわけで、個人的には微妙だった。
後、古きよきインターネット観への懐古的絶対擁護にしかなっていない点も、今の読者的にはどうなんだろうか。
新書200ページくらいだったら悪くはない本になっただろうが。
それでもよければ、というところだろう。