『牛乳とタマゴの科学 完全栄養食品の秘密』

酒井仙吉 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257814-1
牛乳とタマゴに関する雑学本。
特別ではないが悪くはない雑学本で、ほぼ雑学本としかいうことはない。雑学本でよければ、読んでみてもという本。
いろいろ書かれているしバランスも取れていて、雑学本としては悪くないと思う。
興味があるならば、読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
・今の乳牛は季節を問わず出産し、その後十ヶ月間搾乳できるが、昔からそうだったわけではなく、人が牛を家畜化したのは犂を引かせて農耕に使うためで牛乳は後に利用するようになった。
・乳のブドウ糖が多すぎると乳腺細胞も糖尿病みたいに害されてしまうので、哺乳類は母乳に含まれるエネルギー源として乳糖を採用した。甘くないので大量に飲むこともできる。
・牛乳タンパク質のカゼインは、子牛の胃で分解されると凝集し、満腹感をもたらす。チーズが固まるのも同じ原理を利用している。
・数字の上では近年乳量は大幅に増加したが、肉骨粉などの配合飼料の使用や、それによる健康の低下、出産数の低下など、問題も起きている。
・ニワトリは殻を作るのに二十五時間くらいかかるので、年間三百六十五のタマゴを産むことは難しい。そういう報告はあるが、調べてみるとあやしかったりする。
産めるタマゴの数を多くしても卵殻が薄くなって利用しにくくなるため、現代の採卵鶏の年間産卵数は二百八十個くらいである。
・古くなると水分が蒸発して、タマゴの中の気室が大きくなる。
・採卵鶏もブロイラーも、祖父母から四種類の特徴を受け継ぐ雑種強勢によって作られる。祖父母となる純系種はアメリカの会社が押さえている。
高度な配合飼料は使用期間がニワトリの成長ステージによって厳密に分けられるので、養鶏場ではすべてのニワトリがいっせいに入れ替えられる。